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【新連載】妊娠……? それはあまりにも突然の出来事で

わたしはいつもと変わらず、
何事もなかったように、家に帰った。
「ただいま。ご飯買ってきた」
「お、じゃあ飯にしよう」
創ちゃんはバラエティ番組に気を取られ、
真横を向いたまま晩御飯を食べている。

「創ちゃん、次の誕生日で32歳だったっけ」
「そう、恐ろしいことに32歳。
気分だけはまだまだ26歳ぐらいだけど」
相変わらず顔は、テレビを向いたままだ。

「子どもとかって、作る気ある?」
「え、子ども?」
創ちゃんの首がグリッとこちらに向き直った。
「そりゃ親のためにも、
いつかは作らなくちゃと思うけど。
でもさ、自分がまだまだ子どもなのに、
子ども作ったら、子どもがかわいそうだよ」

そうしてまたバラエディ番組に視線を戻すと
「今はまだ、ぜんぜん考えられないな」
と小さな声で言った。
ああ、やっぱり。もしかするとこの先、
最悪、同棲を解消して、
シングルマザーになる可能性も考えないとだな。

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