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【新連載】妊娠……? それはあまりにも突然の出来事で

そしてしばらく動かずに、
じっとわたしの目を見ていたけれど、
その後で弾かれたように「あっ!」と声をあげた。
「そうか。ぼくたちまだ正式な家族じゃない。
だから涼子は反対されるって思ったのか」

創ちゃんは座り直して正座をすると、
わたしに頭を下げてこう言った。

「結婚してください」
「はい」

しばらくの沈黙の後
「つらい思いをさせて、ごめんね」
と、創ちゃんは謝った。
「わたしも創ちゃんと暮らしたかったし、
籍を入れなかったのは、謝ることじゃないよ」

「うん……おれも、好きな人と暮らすのに、
別に誰かの許可とか、
届けなんていらないだろうと思ってた。
実は涼子といっしょに住むって親に言った時
親父に『なんで結婚じゃないんだ、無責任だろ!』
って、怒鳴られたんだけど。
その時は、親父が古臭いのかと思っていたけど、
今やっとその意味がわかった」

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