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【新連載】苦しかった彼との恋は、今ではまるで夢のよう……

実はわたしも大輔も遠距離恋愛が、
そんなに続くとは思っていなかった。
まったく根拠もないくせに、
せいぜい1年ぐらいで大輔が東京に戻る、
と楽観的に考えていたのだ。

そうでなければふたりが遠距離恋愛に慣れて、
わたしが大輔の家に行く回数が、
どんどん増えていくのかもと想像していた。

でも1年もすると大輔からは
「休日出勤が増えた」と言われるようになり、
2カ月に1度、3カ月に1度と、
彼に会う回数はだんだんと減っていった。
メールの返信も2回に1回ぐらいとなり、
返ってくる速度も遅くなっていった。

わたしは毎日、悪い予感に怯えていた
でも現実にお付き合いが薄くなっていくと、
かえって不満は言い出しにくくなる。
わたしは大輔にはメールでもいい彼女を装い、
たまに会いに行った時も、
どうしても不満を言い出せなかった。

そして去年の冬、大輔からいきなり
「結婚することになった」と告げられる。

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