お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【新連載】苦しかった彼との恋は、今ではまるで夢のよう……

そして所内では、なるべく話をしないこと。
アイコンタクトもとらないこと。
でも、勤務時間外でふたりだけの時は、
愛情も不満も隠さずに相手に伝えること。

「会社の連中に知られると面倒だから、
関係は秘密にしておこう」

建設用重機の販売会社、
しかも8割が中年男性という営業所で、
付き合っていることがバレたらどうなるか。
つまらないことを言われるは、
わたしも嫌だったので
大輔の言葉に素直にうなづいた。

それからの毎日は、ものすごく刺激的だった。
あいかわらず心の中では大輔を追いながらも、
決して彼の方は見ない。

「千帆ちゃんって、大輔と仲が悪いの?」
影でこっそりそう聞かれるくらい、
営業所ではよそよそしい態度を取り続けた。
そして金曜日は別々に営業所を出て、
わざと電車で遠回りして大輔の家へ。
まるでスパイごっこみたいな、
刺激的な付き合いだった。

次のページを読む

SHARE