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結婚しても指輪をしない男性って……その理由は?

顔がこわばっているのが、自分でもわかる。
「おめでとう」
と言って、笑おうとしたけど頬が引きつった。
心と一緒に凍り付いてしまったみたい。

そういえばと思い、雅喜の薬指を見た。指輪はない。
「なんで指輪してないの?」
「妻が指輪はいらないって言うからさ」
『妻』という単語が雅喜の口から出たことに驚いた。
雅喜が、私の知らない雅喜になってしまった気がする。
寂しさを隠して、質問を続ける。
「女性で、指輪はいらないなんて、めずらしいね」
「仕事柄できないんだ。看護師だから」
「看護師……って、綾さんじゃないんだ?」
「うん」

あのころは、彼女にすべてを奪われたと思っていた。
だけど、本当に雅喜を奪っていったのは違う人だった。
じゃあ、あんなに嫉妬して苦しんだのは何だったんだろう。

未玖のことだって……。
未玖とは、もう連絡を取っていない。
『友情』と呼ぶほどの関係じゃなかったってことだ。
そんな薄っぺらな関係のために、私は雅喜をあきらめたんだ。

今になって思う。
あの夏、雅喜と一緒に海に行けばよかった――。

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