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いっそ清々しいくらい

わたしは洋画でよく女優さんがするように、
手を口に当て肩をすくめて固まってしまった。
息もできなくなるほど、驚いた。
それは人がキスをするのを見るのが、
初めてだったせいもある。
でもそれ以上に、自分がいいなと思う人が、
他の女性とそうなって、驚かないわけはない。

それは、長い長い時間に思えた。
ただ見ているだけだからそう感じるのか、
実際ふたりが長い時間キスしていたのか、
もうわからない。
ただ、女のコの手首をつかんで引き寄せた、
慎吾さんのその動作が、
あまりにも手慣れている感じがして、
ひどくがっかりした。

きっと慎吾さんには、女のコと食事に行くくらい、
なんてことない事なんだろう。
そしてひょっとしたら複数の女性と、
同時に付き合うのも、よくある事なのかも。
あの女のコの怒りも、わたし以外の女性が原因かも。

あーあ。いっそ清々しいくらいの見事な失恋。
わたしはひどく情けない気持ちのまま、
くるりと後を向いて家に帰ることにした。

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