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いらっしゃいませ


カラカラカラン……。
ガラスに金文字が踊るドアが開くとカウベルが鳴った。
土曜の午後、わたしは真穂や光一さんといっしょに、
慎吾さんが店長を勤めるカフェにお邪魔した。
「おお、いらっしゃいませ」
「こんにちはー」

お客さんは3分の1ほどで、時刻はもうすぐ4時。
はちみつ色の午後の陽射しが、
棚にある空色の紅茶の缶や白木のテーブルに踊り、
気持ちが自然とほぐれるような空間を作っていた。
わたしたちはカウンター席に座ると、
それぞれ好みのケーキセットを注文した。

「すごく感じのいいお店ですね。気に入っちゃった」
「でしょ?」
厨房で微笑む慎吾さんは、先日よりステキに見える。

ケーキはどれも出された時に小さな歓声が上がるほど、
ベリーやマロンや胡桃などフルーツの演出がかわいい。
真穂はそのマロンケーキを食べようとして、
スプーンを置くと、小さな咳払いをひとつした。

「えー、ここで一応発表しておきます。
わたしと光一は知り合って間もないですが、
お付き合いを始めることにしました」

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