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アドレス交換


「うん。慎吾って、いい響きの名前だよね」
その時、真穂がするりと会話に入ってきた。
光一さんとの話が一段落ついたらしい。
「でしょ?」
慎吾……ううん、慎吾さんが横でニッと微笑む。
さっきよりちょっとだけ悪そうな笑みには、
ほんのりと色気があって、さらに魅力的だ。

「カフェって、どの辺りでやってるの?」
そこへ少し早口で、光一さんが会話に入ってくる。
「あ、ここで。店内の雰囲気はこんな感じです」
慎吾さんは手慣れた調子で名刺を配り始め、
スマートフォンでお店の画像を見せてくれる。
スライドショーで万華鏡のように次々に映される、
明るくウッディなのにモダンな店内を見ると、
思わず行ってみたくなる。

「ね、メールアドレス教えてもらってもいい?」
うわっ、びっくりした。
慎吾さんはスライドショーをのぞくわたしの耳元に、
いきなり低い声で囁きかけてきたのだ。
「えっ! う、うん」
横を向くと、ほんの少しヒゲの伸びてきた顎から、
首、そして開いたシャツの胸元には、
小さな銀のクロスが揺れていた。

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