お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

身も心も揺れて


それから圭司は「ごめん」「すまない」を、
繰り返すばかりで、まともな話はできなかった。
……そんな彼が、今は年上の女性とともに、
あのカフェに入っていく。

頭をガツンと殴られたような、強い衝撃があった。
「いや、もう忘れて、ヨガスクールに急ごう」
小さく独り言を言って、銀杏並木を早足で歩く。
スタジオの扉を開け、ロッカールームに滑り込むと、
そこでは友だちの真穂がもう着替え始めていた。

「あー梨緒、一週間ぶり。会いたかったよ!」
「うん、真穂、わたしも会いたかった!」

さっきの衝撃はひとまず隠して、
真穂にはニコニコしながら接したものの、
その日のヨガは、もうボロボロだった。
ヨガは、さまざまなポーズをとりながら、
内なる自分の声に耳を傾ける……のだけれど、
マットの上でポーズをとりながら頭に浮かぶのは、
圭司との思い出や、いっしょだった女性のことばかり。

だから腕を伸ばせば、指先がふらふらと泳ぎ、
片足で立てば、全身がグラグラしてよろける有様。
「花山さん、こういう日もあります。
体からのメッセージを受け止めてあげてください」
先生の微笑みだけが救いだった。

お役立ち情報[PR]