お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

何がいけなかったのか


「そんな……別れるのも、旅行の中止も、
急に言われても、納得できないよ!」

圭司にそう言ってから、気がついた。
彼の様子が変なことは、何となく感じていたことを。
デートの最中も、妙に投げやりな雰囲気だったし、
ときどきわたしと無関係な方を向いて、
何かを真剣に考えているようだった。

でもそれは銀行員だった彼がこの4月から、
突然ファイナンス会社に出向が決まったから
……きっと、仕事のことを考えているんだろう、
と思っていたのだ。
だからわたしも、せめていっしょにいる時は、
楽しい気持ちになってもらおうと、
できるだけ明るく振舞ってはきたのだけれど。

まさか圭司が、わたしとの別れを考えていたなんて、
涙が、後から後からあふれてくる。

「何が……わたしの何がいけないの?
どこがイヤで別れたいの? 教えてよ!」

「いや、梨緒は何も悪くないよ。
悪いのはぼくの方だ。ぼくはもう以前とは違う。
この先いっしょにいても、失望させるだけだと思う」

お役立ち情報[PR]