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彼と別れたあの日


「圭司には、もう恋人がいるんだ……」
ふいに、心臓をぎゅっと握られたような、
強い痛みが胸を襲った。
そしてあれほど思い出さないよう心がけていた、
悪夢のような記憶が蘇ってくる。

それは今年のゴールデンウィーク前。
その週末、わたしは圭司と駅で待ち合わせをして、
ショッピングモールを冷やかして歩き、
疲れたらカフェでお茶を飲んで、
会社での日常のたわいのない話をする、
いつものデートを楽しんでいた。
そうして夜、今、通りの向こうにあるあのカフェで、
圭司はわたしに、突然言った。

「悪いけど、別れてくれないか」
あまりにも唐突で一瞬、何の話かわからなかった。
でも彼のうっすらと浮いた眉間のシワや、
悲しそうな眼差しを見ると、聞き違いではないようだ。

「なんで……どうしてなの?」
「『会いたい』って気持ちがなくなったんだ。
それと、悪いんだけど、
ゴールデンウィークの旅行もキャンセルさせて」

わたしは文字通り、目の前が真っ暗になった。

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