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専門家 映画

結婚したらトキメキはなくなる? 幸せをめぐる考え方(その1)

結婚したらトキメキはなくなる? 幸せをめぐる考え方(その1)

恋愛&映画コラムニストのアイさんがいる「恋愛心理ラボ」は、恋のお悩みを手みやげにお茶を飲みにくるアラサー女子・ゆかりんが行きつけの恋の駆け込み寺。本日は、本当の幸せの見いだし方がわかる映画『それでも恋するバルセロナ』をヒントに語らいます。

●誰もが一度は心に描いてみるアバンチュール

ゆかりん 「アイさん。ちょっと聞いて! 結婚している友人が、会社の上司とダブル不倫をしているらしいんです。秘密の関係なんて未来がないし、しかも社内不倫なんてトラブルのもとでしょ。彼女、どうかしてますよねっ」

アイ 「ちょ、ちょっと落ち着いて。本人がそれを選んでいるんだから、放っておけば?」

ゆかりん 「そんなぁ。当の友人は不倫の自覚がなくて、大丈夫かしらって思っちゃう。ああ、やっぱり説教すればよかった」

アイ 「いざとなったら、人は理性より感情を優先するのよ。まわりが反対すればするほど、『ただの不倫じゃないわ。私たちは特別な関係なの』って燃え上がるものでしょ」

ゆかりん 「でもぉ。パートナーと永遠の愛を誓っておきながら、ほかの人とも恋愛するってどういうこと? 妄想だけならまだしも、実際にそれができちゃうこの世の中もおかしい!」

アイ 「ゆかりんのそういう常識的なところ、なんだかほっとするわ。ゆかりんは、結婚したらパートナーとは1対1の関係を守るべきだと思うのね」

ゆかりん 「それが常識ですよ。そうじゃなかったら結婚する意味がないです」

アイ 「ふむふむ……。ごくごく常識的な結婚観を持つ人が、想定外の恋愛感情に翻弄される様子をシニカルに描いた映画があるわよ。ということで、今日の映画は『それでも恋するバルセロナ』で決定ね。世の中で起こっている“あり得ないこと”のからくりが、少しだけわかるかも」

●女性の本質は女優。複数のキャラクターを使いわけて!

アイ 「ストーリーは、理想的な結婚を控えた勝ち組のヴィッキーと、恋愛体質で自由人を気取るクリスティーナの2人が、芸術と情熱の街・バルセロナに旅するところからはじまるの。そして旅先では、まさかのアバンチュールよ」

ゆかりん 「きれいにまとめたって、けっきょくは浮気とか不倫の話ですよね」

アイ 「今日は突っかかるわね、ゆかりん。私は道ならぬ恋を推奨したいんじゃなくて、恋愛と結婚の性質のちがいがよくわかるサンプルとして映画を紹介したいだけ」

ゆかりん 「はいはい、わかりました。私、元彼に裏切られてから、そういう話題に過敏に反応しちゃうんです。どうぞ、かまわず続けてください」

アイ 「この映画では、芸術家のフアン・アントニオをめぐる3人の女性がポイントね。アメリカ娘のヴィッキーとクリスティーナ。そして典型的なスペイン女性のマリア・エレーナ。このペネロペ・クルス扮するマリアと、ハビエル・バルデム扮するフアンは、どちらも芸術家で元夫婦の関係なの」

ゆかりん 「映画は観ていないけど、たしかマリア・エレーナはモラルとか既成概念に縛られないぶっ飛んだキャラで、画家の男性をめぐって掟破りの恋愛関係を繰り広げるんですよね」

アイ 「そうそう。3人の女性のうち、リスクは避けて賢く生きなくちゃっていうのがヴィッキー。人と同じはつまらない、自分らしい生き方を求めているのっていうのがクリスティーナ。そんな2人の小さくまとまった理性をぶち壊す破天荒な情熱を、マリア・エレーナが体現しているの。でもね、この3人の女性像は、どんな女性の心の中にも生きているんだと思うのよ」

ゆかりん 「私の心の中には、ふらふらしたクリスティーナとか、ぶっ飛んだマリア・エレーナは、いないと思うけど」

アイ 「そう思うでしょ。でもね、まさかの不倫関係に足を突っ込むのが、まじめ担当のヴィッキーなのよねぇ。ほかの2人はどんなにふらふらしていても、ぶっ飛んでいても、ただ自由恋愛を貫いているだけ。でも、ヴィッキーは自ら結婚というシステムに組み込まれていくから、結婚も恋愛も継続しようと思ったら“不倫”になっちゃうのよね」

ゆかりん 「まじめに結婚を貫くほうが不倫になっちゃうなんて、なんだか皮肉な話」

アイ 「その新婚のヴィッキーが、まじめに結婚を考える常識人の領域と、ぶっ飛んだ恋人たちの領域をいったりきたりしてくれておもしろいのよ。堅実な人にも情熱はあるし、情熱的な人にも純粋さはある。3人の女性をよく観察して、ちょっと嫌悪感を持つキャラクターは自分の裏キャラとして楽しむのがコツよ」

ゆかりん 「裏キャラ!?」

アイ 「そう。心理学用語では、表に出てきにくい影の性格ってことでシャドウと呼ぶの。お酒を飲むと出てくる性格なんかが、それね」

ゆかりん 「はっ!! 私、酔うとやたらスキンシップが多くなるらしいです。普段はベタベタ甘えたり媚びたりする女性は嫌いなくせに……」

アイ 「ふんふん。ゆかりんは、普段はきちんとしているぶん、官能的なところや寂しがりな一面をグッと抑え込んでいるのかもね。たまには何も考えずに甘えてもいいのよ」

ゆかりん 「やだ、いきなりハダカにしないでください。恥ずかしいじゃないですか」

アイ 「ごめん、ごめん。そういう影の性格は、切り捨ててしまわずにうまく取り入れていくと人格に深みが増すと言われているの」

>>続きを読む 恋愛は日常から逸脱するもの。結婚とは日常を生み出すもの……

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『それでも恋するバルセロナ』
ウッディ・アレン監督のロマンティック・コメディ。芸術と情熱の街・バルセロナを舞台に、ひとりの画家をめぐってタイプの異なる3人の女性が織りなす四角関係。結婚と自由恋愛のはざまで、絶妙にこじれていく複雑な恋模様をコミカルに描く。

監督:ウディ・アレン 出演:スカーレット・ヨハンソン、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルスほか
DVD 1,890円(税込) 発売:アスミック 販売:角川書店

●オフィシャルサイト http://sore-koi.asmik-ace.co.jp/

監修

著者
三吉野愛子(みよしの あいこ)

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、心理カウンセラーの経験を活かし、心理コーディネーターとして活動中。

●オフィシャルサイト http://www.miyoshinoaiko.com/

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