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恋の行方-8

「じゃあ、わたし向こうの人と別れる。
なら、これからも続けてくれるでしょう?」
「その話、今までも何度も出たよね。
だけど、一度だって御園はその人とは別れなかった。
もう疲れた。ぼくも苦しい。終わりにしよう」

すごいな。御園さんは鷺沢さんと他の誰かを、
二股かけていたんだ。
なのにそれを知っても鷺沢さんは離れなかった……。
そんなに複雑な関係をずっと続けていたんなんて。
わたしが鷺沢さんを好きだった間もずっと。

いろいろ考えが頭をぐるぐる巡る。
すると妙に足元がふわふわして、力が入らなくなる。
あれ、今日は朝から会議のことで頭がいっぱいで、
ろくに食事が喉を通らなかったからかな。
それともふたりのやり取りを聞いて、
精神的なダメージが大きかったから?

「それにぼくも御園の他に好きな人ができた。
頼むから、もう自由にしてくれ」

鷺沢さん、他に好きな人がいるんだ……
さらに悲しみがこみ上げてくると、
わたしはフラフラとキャビネットに寄りかかった。
その拍子に、金物が床に落ちる音が大きく響く。
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