お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

恋の行方-7

資料室にはたくさんの棚やキャビネットがあり、
入り口に入っただけでは奥の様子はわからない。
でも部屋の中央に灯りがつき、
奥からはたしかに、鷺沢さんの声がした。

「そんな無茶を言われても、聞けるわけないだろ!」
「無茶なのはわかってる。
でもわたし、どうしても恭平を失いたくない」
答えたのはたしか大規模店の店長している、
先輩の御園さんの声だった。
ふたりが以前付き合っていて、
今はもう別れたという噂は聞いていたけど。
こうして御園さんが鷺沢さんを「恭平」と呼ぶなら、
噂はやっぱり、本当だったのだと思われる。

御園さんは社内でも、群を抜いて美しい人。
よりを戻すのかな。
それとも別れたという噂が元から嘘なのか。
どちらにしろ、御園さんがライバルなら、
わたしには勝ち目なんてない。

そんな関係を知り、心底がっかりしていると、
鷺沢さんの声が低くはっきり聞こえた。
「繰り返すけど、他の人と付き合いながら、
ぼくとも付き合うなんて、ふざけないでよ」

えっ……たしかに、それはひどすぎる。
<
–>

お役立ち情報[PR]