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恋の行方-6

……この手が、鷺沢さんのだったら。
そんな失礼な妄想をふと抱き、
罪悪感とともに矢島さんに微笑みかける。
こうして失礼な気持ちでの面談を終えると、
わたしは矢島さんを笑顔で見送った。
いつか鷺沢さんともこんな風に当たり障りなく、
笑って話せる日が来るといいと思いながら。

だがそのチャンスは意外に早く訪れた。
矢島さんが来た翌週、本社での緊急店長会議に、
わたしも出席することになったのだ。
統括マネージャーも出るので鷺沢さんにも会える。
会議後、少しでいいから今までのお礼を言ったり、
仕事のアドバイスをもらえる時間を作りたい。
告白の返事のことは、もう忘れてくれていいから。

そして会議当日。売り上げがよいこともあり、
わたしは思ったより堂々と発表ができた。
胃が痛くなるくらいていねいに資料を作ったのが、
本番で役に立ったと思う。
でも会議後、急に鷺沢さんに会うのが怖くなり、
わたしは新店長として本社の上司に挨拶した後、
廊下で鉢合わせしないよう身を隠すため、
伝票やサンプルをしまう資料室に急いだ。
なのに資料室のドアがきちんと閉まってなくて、
奥から鷺沢さんの声が聞こえてきたのだ。

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