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恋の行方-1

「それでは本日もよろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
パートさんたちの唱和が蛍光灯に共鳴する。
ここはショッピングモールにある、
カジュアル系レディースファッションのチェーン店。
今日のスタッフはわたしも入れて全員で3名だ。

通路近くの棚を整えつつ、モールの開店を待つ。
そうして開店を告げる音楽が流れ始めると、
フロアにどのくらいのお客様が流れてくるかを、
少し首を伸ばし気味にしてチェックする。
以前はもう少しお気楽に働いていたけれど、
今はもう、そうはいかない。なぜなら……。

 

 

 

 

 

「店長、伝票チェックお願いします」
「わかりました」
先月から、わたしは店長になったから。
でもレジの方向に振り向いた時、無意識に、
レジに鷺沢さんがいないか探していた。
鷺沢さんは前の店長で、わたしの好きだった人。
今はもうこの店にはいない。
それなのに新店長としてのプレッシャーからか、
わたしの中の2年間の片思いゆえか、
無意識に彼を探してしまう。
いけない。もっとしっかりしないと。
わたしは微笑んで渡された伝票にペンを走らせた。

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