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ひとりにしないで-11

新居の1DKがある郊外に向かう電車の中、
不安とワクワクする気持ちにゆられながら、
わたしはさまざまなことを考えた。

ひょっとすると、ひどく親不孝だったかもしれない。
だけどきっと母も父も、わたしがいなくなれば、
おたがいに話をする機会もできるだろう。
きっと関係を修復できる、と信じている。

「ただいま……と言うか、はじめまして!」
新居のドアを開けると、新建材のにおいが少しした。
「どうも、よろしくお願いします!」
びっくりして振り向くと、引越し屋さんがドヤドヤと、
荷物を運ぶため部屋に入ってきた。

「うわあ、ここなんだ。いい所だね」
次に可穂と、それから名前を知らない男性が、
キョロキョロしながら新居に足を踏み入れる。

わたしはその見知らぬ男性にギョッとしながら、
「この方、どなた?」と、
少しトゲのある言い方で可穂にたずねてみた。

「家具の組み立てを手伝ってくれる、和彦くん。
メールでちゃんと連絡してあるし、実は一度、
例のホームパーティで会ってるし。でも覚えてないよね」

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