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ひとりにしないで-8

 

 

 

 

「別れた」
居酒屋の喧騒の中、席に着くなりわたしが言うと、
可穂は2、3秒、ポカンとした顔でこちらを見ていた。

「正剛と別れた。彼、結婚するんだって」
「あ、ああ……それでよかったんだよ、涼香」
そう言いながら可穂の笑顔は寂しそうで、
自分が今までずっと彼女に、
心配をかけてきたことに気づき申し訳なく思った。

「正剛さんも涼香のこと本気だったみたいだけど、
でも家族同士とか、いろいろしがらみもあって、
もう彼女と結婚しないわけにはいかないみたい」
「うん。逆にわたしは、正剛さんとは、
結婚まではまだまだ考えられなかったしね」

そんなやりとりの後、ハイボールが届き、
わたしたちは「新しい門出に」乾杯した。
「これからどうしようかな、とか思って」

ジョッキを置いて、何の気なしにつぶやくと、
可穂はいたずらの相談でも仕掛けるように、
ニヤリと笑って言った。
「一人暮らしをするなんて、どうかな」
聞いた瞬間わたしも「それが正解!」と閃いた。

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