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ひとりにしないで-6

あー、とうとうこの日がきたか。
わたしは確かすぎる胸の痛みをもてあました。

「仕方ないね……でも、すっごく寂しいな」
「ぼくもこんなに悲しくなるとは思わなかった。
……ごめんね」

ずっと絡まっていた指が、そっとほどけた。
それでも、和服のわたしをかばうため、
地下鉄の階段では、再び手を引いてくれる。
そうして駅の改札をくぐると、
まるでまた来週に会うかのように手を振って、
上りと下りのホームに別れて帰った。

正剛はきっと女性には誰にでもやさしいんだろうな。
でもひょっとしたら、少し愛されていたのかな?
地下鉄に乗り込んでから自問自答してみたけれど、
でももう意味はない。すべて終わったことだから。

「着物脱いだら、これにかけて鴨居に吊るしてね」
家に着くと玄関の前で、母が着物用ハンガーをくれた。
不思議なことに帰り着いてみると、
正剛との関係が終わって、ホッとしている自分もいる。
他に彼女のいた人だから、でもあるとは思う。
でもいつも男の人と別れると、どこか安心するのだ。
どうしてだろう?

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