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ひとりにしないで-3

中華街でのデートは、まだ寒い頃だったと思う。
つくなりふたり、大きな中華まんを食べながら歩き、
路上のいかがわしそうな占い師に、
ふたりの将来を聞いてみたりもした。

「当分は、このままの関係が続きますね」
正剛もわたしも顔を見合わせ「まあ……たしかに」
と、苦笑し合う。
その後、かなり大きな月餅を買ってふたりで分け
「これは……日本人には未知の味すぎる!」
「はっきりいって、おいしくはない!」
と大騒ぎをした。

 

 

 

 


そんな風に散々笑った後、今度は正剛のオススメの、
表通りから一本入った細い道に店を構える、
中華料理屋さんへ入った。
今度は何を食べてもおいしく、驚くばかり。
紹興酒もいただき、少し酔っ払った帰り、
わたしは正剛に「今度いつ会う?」と訪ねてみた。

すると正剛は中華街のさまざまな店の光で照らされた、
明るい道の真ん中でくるりと振り返り、
両手を合わせて頭を下げる。

「ごめん涼香ちゃん! 実はおれ彼女いるんだ」
正剛はそう言って、しばらく頭を上げなかった。

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