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ひとりにしないで-1

窓の外で、花火が音もなく次々と上がっては消える。
お盆とはいえ平日水曜の花火大会は、
めずらしいんじゃないだろうか。
その花火大会をこんなにはっきり見られる、
バーの窓際席を知る正剛は、やっぱり相当な遊び人だ。

きっと今までもいろいろな女性と、
付き合ってきたんだろうな……そんな彼は会社帰り。
無造作に着た白いリネンのシャツがよく似合う。
さっきから、高校時代にサッカー部で、

 

 

 

 


先輩にしごかれた思い出を、
面白おかしく話してくれている。

花火は、カクテルのグラスにも映っている。
いくつも同時に打ち上がり、七色の火花が夜空で崩れた。
「すごくきれいね。とっても幸せな気分」
「ぼくも、涼香ちゃんの着物姿が見られてよかったよ」
「ふふふ、ありがとう」

そう言ってもらえると、
わたしもおしゃれをしてきた甲斐がある。
今晩はかなり無理をして一度会社から家に帰り、
浴衣ではなく母のタンスから麻の着物を借りたのだ。
おかげで落ち着いたバーでも浮かずに済んだ。

「そろそろ行こう。花火が終わると人出が大変だ」

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