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56話 変わっていく気持ち


結婚後、ひとりで中国に渡ってもいい。
そんな一生の言葉に、
今、胸がじんじんするほど感動していた。
一生はいつも仕事ばかりで、
メールの返事さえ途絶えることもしょっちゅう。
なかなか会う約束もできなくて、
会っても元気なく、わたしに興味がなく見えた。
そんな彼が、わたしの気持ちもふたりの将来も、
ずっと考えてくれていたなんて。

メールの返事がない=愛されていない。
そんな考えは、目の前でパチンと弾けた。
わたしは声が震えないようにしながら、
一生に言った。
「だけどそんな結婚、寂しいじゃない」
「そうかもしれない。でもおれたちは結婚したら、
これから月に何度か会うだけの関係じゃなくて、
文字通り人生を共にするようになるんだ。
その時、自分が原因で美羽を不幸にしたくない」
「うれしい……」

今まで、「結婚して中国へ行くか、別れるか……」、
どちらにするか思いつめていたから心底ホッとして、
全身の余分な力が抜けていくような気がしている。
と同時に、一生のことが、
今までより、ずっとずっと好きだと思えてくる。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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