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53話 素直な思いを


次の水曜、わたしはターミナル駅にある、
大きな水族館の建物の前で一生を待った。
実家から帰った翌々日にやっと
「水曜日、休みがとれたから会おう!」
とメールが来たのだ。
実はそれほど、お魚が見たいわけじゃない。
でも出会った頃から何度も来てるので、
なつかしく心落ち着くスポットでもある。
平日はそれほど混まないのもいい。
「お待たせ!」
ずっと以前から同じように、人ごみの中から、
軽く片手を上げた一生が現れる。
わたしも笑顔で手を振る。

そうして動く歩道に乗って、水族館へと向かった。
「水族館、いつのまにかリニューアルしたんだね」
わたしたちは新しくなった水族館がめずらしく、
クラゲが漂う美しい水槽を眺めたり、
チューブの中を泳ぐアシカのかわいらしさに笑ったり、
いつになく、ゆったりとした時間を過ごした。
それから近くのファミリーレストランで夕食をとる。
ごく普通のハンバーグセットを食べながら、
ようやく肝心の話がはじまった。
わたしは勇気を出して、素直な気持ちを口にした。
「あのね、わたし一生と結婚したい。でも今はまだ、
中国での暮らしのイメージがぜんぜんわかないの」
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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