お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

50話 実家へ


そうして火曜の夜、
小雨の中を列車に乗り、実家へ向かった。
都心から2時間少し。大学は何とか通ったけど、
社会人になってからは「体を壊すから」といって、
一人暮らしをさせてもらった。
両親とも物分りはいいはずだけど、今回はどうかな。
「ただいま……」
「おかえりなさい、美羽」

実家につくと、父も母も笑顔で迎えてくれた。
最初はみんなで母の手料理を食べながら、
嫁いだ姉夫婦や幼馴染の話題で盛り上がった。
「意外にみんな結婚してないんだ」
「そうね。案外、親元に居っぱなしの人多いわよ」
お腹いっぱいになって、話も一段落したところで、
わたしは心の中で大きく深呼吸をして、言った。

「あのね、実は一生、ううん、坂口くんから、
結婚しようって言われたんだ……」
「まあ、よかったわね。おめでとう!」
話がすべて終わらないうちに、
母が弾けるような笑顔でお祝いを言ってくれて、
うれしいような胸が痛むような複雑な気分になった。

「うん、ありがとう。ただね、
……坂口くん、来年度から中国への転勤なんで、
いっしょに来て欲しいって言ってるんだ」
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

お役立ち情報[PR]