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41話 恋人がいても孤独


「なるほど……勉強になります」
不動産の売買も結婚も、できればいい、
と言うものではないらしい。
たしかにどちらも合わない条件で結ばれてしまったら、
やり直しが効かない……わけではないけれど、
たいへんな労力がかかるだろう。
その方向から考えると、一生と結婚して中国に渡り、
あちらの暮らしに馴染めず毎日泣いていたとしても、
そう簡単に帰ったりはできないかもしれない……。
臼井さんの話を聞きながら、
思わずそんなことを考えてしまった。

「臼井さん、この仕事に誇りを持ってるんですね」
「うーん、誇りまではどうかな。
不動産の売買はお客様の全財産に近い金額が動くから、
よくちょっとしたことで、怒鳴られたりするし。
でもだからこそ信頼されると、すごくうれしいよね」

いい話を聞かせてもらった、と思いながら、
臼井さんとは食事の後、別々に帰った。
電車の中で、思わず一生にメールする。
「あれから、どうしてますか?
わたしは元気です。中国出張のことで、
何か分かったことがあったら、教えてください」
でも家に帰り着いても、寝る頃になっても、
一生からメールの返事は届かなかった。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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