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35話 異国で暮らすということ


「あ、ごめんね。だまっちゃって」
わたしは動揺を悟られないよう、すばやく笑顔を作る。
一生は、不安そうに目線を上げた。
「あの、プロポーズありがとう。すごくうれしい。
一生とずっといっしょに生きていけたら、
とっても幸せだと思う」

その返事に、彼は顔いっぱいの笑顔を浮かべる。
どうしよう。このままOKしちゃっていいのかな……。
わたしは、残っていたカクテルを一息に飲み干した。
冷たい飲み物を飲んで落ち着こうとしたのだけれど、
アルコールで喉が熱くなり、さらに気持ちが上ずる。
「ただ中国で生活って、ぜんぜん想像してなかったから、
正直びっくり。
赴任ってどの位なの? 半年とか一年とか?」

わたしが質問すると、
一生の視線が再びテーブルに向けられた。
「任期は、ぜんぜん決まってない。実情を言うと、
ウチの会社、向こうにチェーンを広げるんで、
3年前から30人以上の人が中国へ赴任してる。
でも日本に帰国した人は、まだいない。
たぶん行ったら、数年は戻ってこられないと思う」

ということは……結婚&中国行きを断ると、
おそらく一生とは、別れることになってしまうんだ。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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