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32話 不安な誘い


チラシを撒き終わった後、帰宅途中、
電車に揺られながら……わたしはすでに、
どうすれば臼井さんの彼女になれるかを、
あれこれ妄想していて、我ながら驚いた。
「もう少し堅実に生きた方がいいんじゃない?」
何でも恋愛に結びつけて考える自分が、
浅はかに思えてくる。

でも、自分の人生から恋愛の要素を抜いた途端、
仕事でも生活でも、急に不安が色濃くなる。
営業職で、うまくやっていけるのかな?
一生はわたしとの結婚とか、考えてないのかな?
思えば今の営業所に配属されて3年たつけれど、
瞬く間に過ぎて、24歳だったわたしは27歳になった。
そしてあと3年で30歳。きっともっとあっという間だ。

……ため息をつくとメールの着信があった。一生からだ。
「久々のメールになっちゃってゴメン。
次の水曜日、会えないかな?
折り入って相談したいこともあるので、ぜひ」

折り入って相談したいことって……なんだろう?
『付き合ってる男が真剣に話をしてくる時って、
たいてい面倒くさい話題が多いから』
と言っていた、朋美の声が頭をかすめていった。
まさか……別れ話とかじゃないよね。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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