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31話 ちょっぴり残念


こうして臼井さんに、物件の特徴を教えてもらいながら、
わたしたちは集合ポストにチラシを投函していった。
スーツ姿のまま、汗をかきかき
チラシを配るのは本当に大変だけれど、
不動産の営業はこうした地味な作業に支えられている。
そして新人のうちはこうしてチラシを撒きながら、
実際に物件を見て、どんな場所に建っていて、
どんな雰囲気なのかを、知ることが大切なのだ。

「たしかこのマンションは、3LDKが多いんですよね」
「そう。だからお子さんが巣立った後、
ご夫婦だけだと、広すぎると感じて手放す人も多いんだ。
逆に若い夫婦は、これから家族も増えるし、
中古だけれど駅からも近いから、人気がある」

わたしはうなずきながら、なるほど、と感心して、
臼井さんのレクチャーを聞き続けた。

それにしても……こういう仕事をしているからこそ、
臼井さん、きっと自分の将来のこともちゃんと、
考えているんだろうな。
あの、ショッピングモールで見かけた彼女との将来を……。
そう思うと少しというか、かなり残念に感じるのは、
自分の彼がふたりの将来を考えてくれないから?
それともわたしの気持ちが、
臼井さんへと傾いてしまったからかしら。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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