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18話 そんなわけ、ないでしょ


「いよっ、入って」
チャイムを鳴らすと、いつも通りの一生が出てきた。
思えば付き合った当初から、
ドアを開けた時の第一声は変わらない。
他の女性にも、家に上げる時は同じことを言うのかな。

「ごめんね、忙しいのにムリいって」
「謝られるほど会ってないよ、おれたち」
思わずふたりで「へへっ」と笑うと、言葉が途切れた。
何となく、会話がぎこちない感じがするのは、
気のせいだろうか。

「ケーキ持ってきたからお茶いれるね」
「すまんねー」
そう言うと一生は、畳の上にゴロンと横になった。
そういえば玄関に出てきた時も、
どこか眠そうな、起き抜けの感じが漂っていた。
部屋も少し籠ったにおいがして、できれば窓を開けたい。
わたしはそんな中でも軽く深呼吸をして、
台所で紅茶をいれながら、さりげない感じで言った。

「朋美がね……一生のこと見たって言ってた」
「え、いつぐらいだろう?」
「先々週の土曜日……女の人と一緒だったって」
そういうと一生は、ガバッと起き上がった。
さっきまで眠そうだった目も、パッチリと開いている。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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