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8話 悪い人ではないけれど


でも、今は仕事中。臼井さんもきっと、
指が触れたことに気づいてるはず。
だからこそ、まったく平気なフリでいないと、
仕事がしづらくなってしまう。
毎日いっしょだからこそ、気をつけないと。

わたしは訂正された領収書を台紙に貼り、
手提げ金庫を開いて、中からお金を出す。
「木村さん、遅くなりました。清算金です」

「おお……あれだな、おれも言い過ぎた。悪かったよ」
「いえ、わたしも言いすぎましたし、頭が固すぎました。
臼井さんみたいに、前向きに考えられればよかったのに」
「ああ、おれも余計な手間を増やさないようにするさ」

そう。ここの営業所も悪い人はひとりもいない。
ただ、臼井さんと所長以外の全員が個性的というか、
クセが強かったり、頑固だったりする。
今の木村さんなんかも、頭に血が登ってしまうと、
後先考えないでものを言ってしまうところがある。
普段はぶっきらぼうだけど、
やさしいところもたくさんある、良い人なんだけれど。

そこでふいに電話が鳴った。液晶には本社の、
それも総務部長直通の番号が示されている。
うそ、わたし、何か大きなミスをしちゃったのかな。
八坂美羽(27歳)
中堅の不動産会社の営業事務。明るくやさしい性格だが、押しが弱い。
坂口一生(29歳)
大手アパレル店の店長。明るく元気で頭の回転が早く、よくしゃべるタイプ。
臼井数馬(29歳)
美羽の不動産会社の先輩で営業職。落ち着いてしっかりとした性格。
安藤朋美(27歳)
美羽の友人。明るくさばけていて、行動力がある。美羽の会社の同期。

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