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みんなの恋人-12

しばらくして志織にメールし、訳を話すと、
彼女からはこんな返事が来た。
「何かあったら、わたしが和幸さんに説明するよ」
「うん、ありがとう」
でも志織はああ言うけど、それで元に戻れるのかな。
わたしたち今度こそ、別れちゃうの?
それともこのまま1カ月に一度会う関係が続くのかな?
そんな寂しくもやもやした日々が半月も続いた後、
やっと和幸と会える日がやってきた。

家の前まで迎えに来た和幸の車に乗ると、
彼はとても、落ち着かなそうな顔をしていた。
あまり話さないうちに、車は走り出す。
たぶん道順は前回と同じ。展望台へ向かうのだろう。
しばらくして、和幸とわたしは再び、
10年前に取り付けた、南京錠の前に立った。
「ごめんね。怒ってる?」
「怒ってなんかないよ。
それより……よかったら、いっしょに暮らさない?
ご両親にはぼくから、結婚を前提にってお願するから」
「あ……うん! でも、いいの?」
「だからこの間、言ったでしょ。おれも考えてるって」

わたしはそっと和幸の手を握った。
そして心の中で、これからもずっと離さないと、
フェンスについた赤いハートの南京錠にそっと誓った。

(おわり)

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