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55話 いかにもデート


日曜の夜、菱山さんと私は、
六本木ヒルズの展望台フロアにあるレストランにいた。
私たちが座った窓際の席からは、東京の夜景が一望できる。
いかにもデートという店のセレクトに、胸がドキドキしてしまう。

「こういうお店、よく来るんですか?」
私はレストランを見渡しながら、菱山さんに尋ねた。
「しょっちゅうじゃないよ。芦田さんも知っている通り、いつもはコンビニ弁当。
だからこそプライベートでゆっくり食べられるときには、
おいしくてムードと接客のいい店を選ぶようにしてるかな」
本当に誠とは反対な人。
ゆっくりしたいときこそ、誠は手料理をつくる。
「菱山さん、料理はしないんですか?」
「しないよ。キッチンが汚れるのが嫌だから」
モデルルームのようにキレイな菱山さんの部屋を思い出した。
「じゃあ、女の人が料理をするのも?」
「うちでつくられたら嫌だな。絶対、外で食べたほうがおいしいし」

それはそうだけど。
菱山さんの言葉は、どこか冷たく感じられた。
目の前の窓ガラスの下に広がる、青白い夜景みたい。
美しく輝いているのに、冷たくて、寂しい……。

そのとき、菱山さんの顔が触れそうなほど近づいてきた。
胸がドキリと高鳴った。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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