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43話 好き、と言わない


昨夜、菱山さんはどういうつもりだったんだろう?
私のことを好きなのか、正直、よくわからない。
だって、菱山さんは一度も私に「好き」と言わなかった。
それに朝目覚めたとき、キスをしなかった。

誠なら——。
いつも目覚めるのと同時にキスをしてくる。
私を抱きしめて、ほほ笑んで、やさしいまなざしで見つめてくれる。
誠が私を好きかどうかなんて、言葉がなくても十分わかる。

そんな日々が続いていたから、
私は誠に愛されることが当たり前なのだと甘えきっていたんだ。
心が贅沢になって、誠に不満を感じたり、
他の人にときめいたりするようになってしまっていた。
だからかな。
私のことを好きだったはずの誠が、他のコのことを考えている。
そして、私よりあのコを選ぼうとしている。
今の私は、誠にとっても、菱山さんにとっても、1番じゃないんだ。
急に自分が一人ぼっちに感じられて、寂しくなった。

そのとき、私のほうに歩いてきた女性を見て、ハッとした。
なんて、キレイな人。女性の私でさえ見とれてしまう。
そのキレイな人は、私と入れ違いにマンションに入っていった。
振り返って目で追うと、インターフォンを押す姿が見えた。
部屋番号は1204。あれ? 菱山さんの部屋って何号室だっけ?
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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