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40話 最後の一線


朝、明るい光で目覚めた。
淡いブルーのカーテンは薄手で、陽射しをそのまま通している。
隣で眠る誠を起こそうかと寝返りを打って、
自分の間違いに気づいた。

誠じゃない——……菱山さんだ。

ぼんやりしていた頭が、冷水をかけられたようにシャキッとした。
昨夜、菱山さんとキスをして、それから……。
タクシーに乗って、またキスをして、菱山さんの部屋に来たんだ。
薄闇の中で体が重なりあったことを思い出し、頭の奥が熱くなった。
私ったら、なんてことをしてしまったんだろう。
菱山さんは会社の上司なのに。
それに誠とだって、ちゃんと別れたわけじゃない。

唯一の救いは、最後の一線を越えていないこと。
越えなかったんじゃなくて、越えられなかったんだけど……。
生理で、よかった。
もし、そうじゃなかったら、きっと私はあのまま流されて、
今よりもっと大きな自己嫌悪に苦しんだと思う。

だけど、そんなのは言い訳にすらならない。
最後の一線は越えていなくても、キスをして、泊まった。
それだけで十分、浮気と呼べる行為だもの。
私は浮気をした。誠を裏切ったんだ。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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