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33話 誰へのメール?


誠のことを考えるとモヤモヤしたり寂しくなったりするのに、
菱山さんを見ていると心が明るくなる。

「芦田さん」と菱山さんに呼ばれ、頬がゆるみそうになるのを抑えた。
「紅茶産地のマップ、見せ方をもっと変えられないかな?」
「考えてみます。画像をもっと増やせばいいですかね」
仕事のことを話しているときは、私も菱山さんも真剣だ。
「うん、その方向で具体的に考えてみて」
そう言って、菱山さんはふっと笑顔を見せた。
ドキリとした。それまでの真剣な表情とのギャップに心が惹かれる。

こんな風にときめくのは、誠との関係に不満があるから?
それとも、菱山さんが素敵な人だから、誠のことが不満に思えるの?
私の気持ちは、どっちを向いているんだろう?

紅茶販売サイトの設計がスタートすると、
恋愛の悩みなんて思い返す暇もないほど忙しさが増した。
資料を集めて提出したり、コピーを相談したり、広告を選定したり、
やることは山ほどある。
「もうこんな時間か。芦田さん、終電なくなる前に帰って」
菱山さんは壁時計を見上げてそう言った。
そして、スマートフォンを取り出し、メールを打ちはじめた。
誰にメールしてるんだろう?
彼女はいないって言ってたのに。
私には関係のないことだけど、気になってしまう。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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