お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

30話 相性が合わない?


誠の言動からは愛情を感じる。
今日だって、料理教室で習ったばかりという
牛タンと野菜の煮込みをつくってくれた。
いくら料理が好きだからって、好きじゃない相手に
しょっちゅう手料理をつくるわけないと思う。
「デザートにフルーツポンチをつくったよ。
さっちゃん、肌荒れを気にしてたでしょ。
これならビタミンCがたっぷりだから、ばっちりだよ」
私が気にしていたことを、覚えていてくれたんだ! ちょっと感動。
誠と一緒にいると、ときどきこんな小さな感動があって、
そのたびに誠への愛情が増えていく。
やっぱり私は、誠のことが好きなんだ。

フルーツポンチは甘さ控えめで、りんごやイチゴの味が
混じり合って、奥深くて、ジューシーで、とてもおいしかった。
そんな感想を伝えると、誠の目が嬉しそうに輝いた。
「たくさんの味が混ざったほうが、おいしさが引き出せるんだ」
それから誠は、生き生きとした口調で料理やスイーツの話を続けた。
さっき、私が仕事の話をしていたときとは別人のようだ。
だけど今度は、私が退屈な気分になってきた。
よく知らない香辛料について語られても、興味が持てない。
——私たちってもしかして、合ってないのかな?
スイーツ好きのあのコなら、
誠と同じように目を輝かせて相槌を打つのかな?
そんなことを考えたら、さっきまでの幸せな気分が一気にしぼんだ。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

お役立ち情報[PR]