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27話 消えた罪悪感


部屋に入るとベッドに大の字になって、
「はぁ……」と大きなため息をついた。
さっき、菱山さんはどういうつもりだったんだろう?

もしも、電話がこなかったら——。
私がためらいを見せなかったら——。

それでも菱山さんは、さっきと同じ言葉を言ったのかな?
朝の連絡事項を伝えるだけとは思えない空気が流れていた。
確かにそう思ったけれど、私が勝手に勘違いしただけで、
菱山さんにはその気はなかったのかも?
だって、よく考えてみたら、あんなに仕事熱心な菱山さんが、
会社の部下に手を出すとは思えない。
まして、私には彼氏がいると知ってるんだし……。

だけど——……私は本当は期待していたんだ。
だから、あのとき電話を無視したんだ。

さっきの自分の感情を分析して、愕然とした。
これまで、菱山さんのことを素敵だと思うたびに、
誠への罪悪感が湧いていた。
だけどさっきは、そんな気持ちがまったくなかった。
それどころか、誠が邪魔者に思えてしまった。
私って、ひどい——。
自己嫌悪を覚えながら、私はさっききたメールを開いた。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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