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20話 まさか2人で!?


モヤモヤした思いを抱えていようが、
チャンスを逃して残念だろうが、日常はいつも通りに過ぎていく。
仕事が忙しくなっても、ティーブレイクは続けていた。
お湯を沸かし、茶葉をはかり、カップを温め、紅茶を注ぐと、
心が自然と安らいでいく。

その日の紅茶を飲んで、菱山さんは首をかしげた。
いつもならひと口ふた口飲んだところで
紅茶のレシピを当てるのに、今日は言葉が出てこない。
「今日の紅茶は何?」
私は少しだけほほ笑んで答えた。「パーフェクト・ティです」
すると菱山さんの顔が緩んだ。
「パーフェクトという名前にふさわしい味だね」
どうやら気に入ってくれたらしい。
またひとつ、菱山さんに認めてもらえたような気がする。

菱山さんの評価に安心したところで、私も紅茶を飲み始めた。
ふと、誠と2人で決めたパーフェクト・ルールを思い出した。
パーフェクト・ティは、お気に入りの場所で飲むこと。
だとしたら今の私には、菱山さんの斜め顔が見えるこの席こそ、
心がときめくお気に入りプレイスだ。
ささやかな幸福に浸っていると、菱山さんが私の名前を呼んだ。
「来週の九州出張、芦田さんも同行してくれないかな?」
え、確か九州出張って、泊まりがけじゃなかったっけ?
まさか、菱山さんと2人で泊まりの出張!?
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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