お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

15話 私の前で他のコと


舌ったらずのかわいい声が電話から漏れてくる。
私より年下だと思う。
『10代くらいのギャルとメール交換してるんじゃないですか?』
という結実の言葉を思い出して、嫌な気持ちになった。
「うん、本当においしかったね。……えっ、本当?」
誠の返答から察するに、この電話の相手と一緒に
スイーツの食べ放題に行ったらしい。
やっぱり、他のコと行ったんだ——。
予想はしていたけど、いざ現実になると胸がムカつく。
それに、私の前で他のコと長電話しているってどういうこと?
私は紅茶の勉強をしたかったのをやめて、
菱山さんの誘いも断って来ているのに——。

私は自分のティーカップをじっと見つめた。
例の赤い花柄のカップ。きっとこの電話のコがくれたんだろう。
そう思ったら、このまま割ってしまいたい衝動に駆られた。

数分が経ってから、誠は電話を切った。「ごめんね、長電話して」
私は不機嫌さを隠さずに、誠をにらんだ。
すると誠はあせったように説明を始めた。
「今日食べたスイーツのなかで、ひとつだけ材料がわからないのがあって、
その正体がわかったって連絡くれたんだ」
そのコも、誠も、純粋にスイーツが好きなだけなのかも。
でも、そうだとしても、受け入れる気持ちになれない。
私は誠に言った。「そのコとスイーツを食べに行くのやめて」
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

お役立ち情報[PR]