お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

13話 付き合って


ローズスカッシュティを飲み終えた菱山さんが、
「申し訳ないんだけど」と眉根を寄せた。
私、なにか気に入らないことをしちゃったのかな?
さっきまでの明るい気持ちが吹き飛び、一気に不安になった。

ところが、菱山さんは本当にすまなそうな顔と声で
「今度の土日、付き合ってくれないかな?
紅茶コーディネーターの丸井さんが、
土日しかスケジュールがあいていないって言うんだ。
せっかくの休日を申し訳ないんだけど……」と言った。
なーんだ、そんなことか。「大丈夫ですよ。
家で紅茶の勉強をしようと思っていたところですから」
そう私が答えると、菱山さんはほっとした笑顔を見せた。
「助かるよ。芦田さんの意見も聞きたかったんだ」
菱山さんに必要とされている。
これまでにない充実感が私を包んだ。

誠へは、断りのメールを送った。
不思議なことに、申し訳ないという気持ちよりも、
ほっとした気持ちのほうが大きい。
誠からは『いいよ。お仕事がんばってね』
という返信がくるとばかり思っていたのに、違った。
『えー、土日とも仕事なの? 寂しいよ。少しでも会いたいな』
恋人に会いたいと言われて嬉しくないはずはないのに、
どこか重荷に感じてしまったことに、罪悪感を覚えた。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

お役立ち情報[PR]