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12話 断りたいけど


誠になんて返事をしよう?
正直、週末はスイーツ食べ放題に行く気分じゃない。
寝不足が続いて、頬に吹き出物が出ているし。
紅茶について勉強したいことや、考えたい企画がたくさんある。
でも、もし私が断ったら、あのコと一緒に行くのかな?

そんなことを考えていると、ふいに、菱山さんと目が合った。
ドキリと心臓が激しい脈を打った。
仕事以外のことを考えていることを見破られたかも。
そんなあせりと、さっき好きだと思った彼の目に
見つめられたことが重なって、落ち着かない気持ちになった。
「芦田さん、休憩しよっか」
菱山さんがいつも通りの落ち着いた声で言った。
1日に何回か私たちはこうして休憩を取り、
そのたびに紅茶を飲むことが自然と習慣になっている。
私は「はい」と答え、給湯室に紅茶を淹れに行った。

「ローズスカッシュティです」
と言いながら、菱山さんのデスクにグラスを置いた。
菱山さんは一口飲んで、「うん、これもおいしいね」と言った。
「ローズティを炭酸で割ったのか。
このレシピ、サイトに載せよう。前回のメイプルミルクティもね」
菱山さんが、私の淹れた紅茶を喜んでくれる。
私が考えたレシピを認めてくれる。
それだけのことなのに、どうしてこんなに胸が弾むんだろう。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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