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11話 ときめきへの言い訳


仕事は日増しに忙しくなっていった。
ここ数日、菱山さんの笑顔が少なくなって、
その分、真剣な表情が増えたように思う。
さわやかな笑顔もいいけれど、パソコンのディスプレイを
見つめているときの、少し下を向いた真剣な顔も素敵。
話しかけてはいけないような、真摯なまでの緊張感に胸がときめく。

こんな風に思うことは、誠への裏切りかもしれない。
でも、これって、キレイな花を見たときに嬉しくなったり、
輝く宝石にときめいたりするのと同じで、恋愛感情とは別のもの。
仕事に夢中な人を見て素敵だと思うのは、
自然なことなんじゃない? ……って言い訳かな?

私もまた仕事に夢中になっていた。
菱山さんからは、データを集めたり、資料をつくったりする
だけじゃなく、紅茶の販売法とPRを考える仕事を任せられた。
ここ数日、自宅に帰ってからもアイデアを練っているので、
寝不足の日々が続いている。
自然と、誠にメールを送る余裕がなくなった。
それでも、私が返事をしなくても、誠は毎日メールをくれる。

ランチのあとも、誠からメールが届いた。
『最近、忙しそうだね。気分転換にスイーツ食べ放題に行かない?』
動く絵文字を見て、あの赤い花柄のカップが頭に浮かんだ。
もし私が断ったら、あのコと一緒に行くつもり?
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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