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10話 正反対の2人


すべての紅茶を試飲したあとで、菱山さんが言った。
「やっぱり香りの強い、華やかな紅茶が印象に残るな」
「香りも味覚の一部だそうですからね」
私の答えにうなずき、菱山さんは考え込む顔をした。
「コーヒーに比べると、紅茶は香りも味も刺激が少ない。
コーヒー専門店はたくさんあるのに、紅茶専門店が少ないのは、
そこに理由があるのかもしれないな」
それなのに、紅茶の新規事業なんか立ち上げて大丈夫?

と思ったとき、菱山さんの目が輝いているのに気づいた。
「問題があって、他の人ができないからこそ、
僕たちがやる価値がある。紅茶の販売が軌道に乗ったら、
紅茶カフェを立ち上げたいと思っているんだ。
芦田さん、これからもサポートよろしくお願いします」
それは力強くて、明るさに満ちた言い方だった。

……どうしてだろう?
菱山さんの目に、そして声に、なぜかドキドキしてしまう。

その夜、誠からメールが届いた。
係長になる試験の勉強をしているという。
『責任が重くなるから、係長なんかなりたくないのに(動く絵文字)
受けなきゃダメだって言われて、テンション↓↓↓』
というメールを見て、とっさに「つまらない人」と思ってしまった。
そして、新しい挑戦に目を輝かせていた菱山さんを思い出した。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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