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5話 意外な気持ち


菱山という男性は、どうして私を見ているんだろう?
その理由は、会議のあとにわかった。
私は、部長に呼ばれてこう言われた。
「菱山さんのアシスタントを引き受けてくれるかな。
紅茶部門の立ち上げに協力してほしいそうだ」
きっと菱山さんは、この人事で私のデータを見ていたのだろう。
嫌だなあと思ったけれど、NOと断る理由は思いつかなかった。
コンサルタントの人って、なんだか怖そう。
それに、この不景気に新規事業なんて、うまくいくのかな?
先が見えない不安で、胃が重くなってくる。

少しでも不安を軽くしたくて、トイレで誠にメールをした。
返信はすぐに来た。
『さっちゃんなら大丈夫だよ。がんばって』
この短いメールの中に、動く絵文字が3つも入っている。
そのお気楽なメールは、なぜか私の気持ちをイラ立たせた。
『さっちゃんなら大丈夫』って、何を根拠に言ってるんだろう。
そんな言葉で安心なんかできないよ。

重い気持ちのままフロアに戻ると、菱山さんが私の席にやってきた。
「芦田さん、これからよろしくお願いします。
実は僕、紅茶は詳しくないんです。
一緒に勉強して助けてもらえると嬉しいな」
菱山さんの言い方は紳士的で、だけど親しみの持てる雰囲気だった。
私はほっとするのと同時に、胸の奥がときめいたことに驚いた。
芦田さつき(28)
輸入販売会社の事務員から新規事業のアシスタントに。
春野誠(30)
さつきの彼氏。公務員。趣味は料理とスイーツの食べ歩き。
菱山謙司(30)
コンサルタントとして派遣され、新規事業立ち上げの責任者に。
川口結実(26)
さつきの後輩。かわいくてモテるが、なかなか恋人ができない。
相原香里奈(22)
スイーツ好き。誠と仲がいい。

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