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27歳の初恋-9

そういって八角さんは、またろくろのスイッチを入れ、
柔らかそうな湯飲みの形の土に、再び指を当てた。
土は回転しながら、微妙に形を変えていく。

何度も何度も、角度を変え指を当てていく八角さん。
わたしは飴細工が作られるのを見入る子どものように、
その様子を、飽きずに眺めていた。

そうして八角さんが、またふうっと大きく息をつく。
わたしもまたその時、大きく息を吐いた。
ふたりとも呼吸が同化していたらしい。

「ごめんなさい。せっかく来てもらったのに夢中で」
「いえ、わたしも夢中で見ちゃいました」

おたがい顔を見合わせて、ハハハッと笑う。

やがて八角さんは成形し終わった作品を糸で切り離し、
棚に置いた。焼く前に乾かす必要があるのだという。

「面白そうですね。わたしにもできるかしら」
「ちゃんと習えば、誰でもできますよ。
もしよかったら体験教室、やってみますか?」
「ええ、できたらぜひ!」

こうしてわたしは、八角さんの通う陶芸教室の、
体験教室に参加することにした。

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