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27歳の初恋-8

「こんにちは……」
そっと教室に入っていくと、事前に言われた通り、
八角さんは一人ろくろに向かっていた。

初級と中級の講座を終えて、今は自由に作りながら、
先生にアドバイスをもらっていると言ってたっけ。

回転する大き目の湯飲みのような柔らかな土に、
真剣なまなざしで指を添えている八角さんには、
この間のホームパーティで会った時とは違う、
厳しくて男性的な魅力があった。

そうして大きな息を吐きながら土から指を離し、
八角さんはこちらに向かって笑顔で手を振った。

「よく来てくれました」
少し背中を丸めた緊張した姿から、
ほどけるように体を伸ばして手を振った八角さん。

……この人、ステキだ。
どうしよう。こんな気持ちになるの初めて。
担当の派遣さんからの紹介なのに、困ったな。

「おじゃまします。何を作ってるんですか?」
「茶道で使うタイプの湯飲みを作ってます。
でも、出来上がって煎れるのはコーヒーですが」

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