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27歳の初恋-1

「聞いてた話とちがうので、辞めます」

伊藤華子は、派遣先の近くのカフェで、
座るか座らないかのうちにきっぱりと言い切った。

「えーと、ちょっと待ってもらえます?
派遣先を辞める理由、残業が多いからでしたっけ」
まずい。それは絶対まずい。
派遣先の携帯ショップは、売り上げのよい彼女を、
何が何でも残してくれと言っているのに。
ここで辞められたら、上司からまたお小言だし、
正直、査定的にもかなりまずい。

 

 

 


「そうです。残業が多いと彼に怒られちゃうんです。
オレより仕事の方が大事なんだなって」

そんなダメ男、今すぐ別れましょう……の言葉が、
喉まで出かかったのだが、何とか飲み込んだ。

「わかりました。その件もう一度、
ショップと掛け合いますから、ちょっと待ってください」

「それで改善されるんですか」

伊藤さんはきっぱりと、わたしの目を見て言う。
仕方ない。使いたくはないけど、あの手で行こう。

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