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58話 誰からの電話?


ふと見えてしまった浩之さんの待ち受け画面。
それは、緑の木立を背景に私が笑っている写真——。
2人で軽井沢に行ったときの写真だ。

浩之さんは毎日、私の写真を見ていたの?
別れてからも、ずっと、本当に、私を好きでい続けてくれたの?
嬉しさと切なさが同時に押し寄せてきて、胸が苦しい……。

「ちょっとごめん」と言って、浩之さんは席を立った。
そして、カフェの入り口付近で電話に出ると、
パッと顔をほころばせた。
誰と話しているんだろう?
仕事じゃないよね? 休日だもん。

席に戻ってきた浩之さんは、携帯をテーブルの上に置き、
「で、どこまで話したんだっけ?」と言った。
さっきまでとまるで表情が違う。
苛立ちが消えて、柔らかな優しい雰囲気になっている。
さっきの電話がそんなに嬉しかったの?
もしかして、女の人からの電話……?
終わらせたはずの恋なのに、まだこんなに嫉妬してしまう。

『電話、誰からだったの?』と聞きたい気持ちをぐっとこらえた。
今、確かめなくちゃいけないのは、浩之さんが本当に私を大切に
できるかどうか、同じつらさを繰り返さないかどうか、だ。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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