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52話 別れたあとで


陽向くんからのメールには、
『元気ですか? その後どうなったか気になってました。
元気だったら嬉しいです』と書かれていた。
あ……しまった!
陽向くんに『彼と別れる』と言ったあと、
結果を報告するのをすっかり忘れていた。

『相談に乗ってもらったのに、その後、
何もご報告せずにごめんなさい。
気持ちが二転三転したあと、やっと彼とお別れができました』
メールを送ると、すぐに優しい返信がきた。
『そっか。今は寂しかったりつらかったりするかもしれないけど、
いい決断だったと思います。
元気になったらゴハンでも行きましょう』
私が連絡しなかったことを責めずに、励まそうとしてくれている。
冷え冷えとしていた心が、ほのかな温かさで包まれた。

その後、浩之さんからは何度もメールがきた。
『好きだ』とか『会いたい』とか『話をしたい』とか。
そのたびに心が揺れて、やり直したいと思ってしまう。
だけど、心を鬼にしてメールを無視した。
もともと浩之さんが私を無視したんだもん。
あのときのつらさを、孤独を、繰り返すのは絶対に嫌だと思った。

次の週末、私から陽向さんを食事に誘った。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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