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51話 どっちが本当の姿?


叶絵は、浩之さんの元同僚と知り合いだ。
浩之さんが転勤するという情報も、その知り合いから聞いた。
「その元同僚、岡田くんって言うんだけど。岡田くんの話だと、
浩之さんって社内でも自己中で、よく揉め事起こしてたんだって。
あるとき、後輩への指導力のなさをマイナス評価されて、
後輩ができそこないだからだって暴言を吐いて辞表を出したって」

嘘! そんなの信じられない。
だって、浩之さんはいつも自信満々で、余裕があって……。
「浩之さん、転職の理由は新しい挑戦がしたいからだって」
「そりゃ、そう言うでしょ。
でも、うちみたいに安定した会社を辞めて、
この時期にわざわざベンチャーに転職って、不自然だと思わない?」
「うーん、それは、その人の考え方次第なんじゃないのかな」
「まあ、そうかもね。私も又聞きだから、話半分に聞いてたの。
本人に聞けばそれなりの事情があるのかもしれないし。
詩織にとっていい彼氏なら関係ない、と思って黙ってたんだけど。
でも詩織の話を聞いてたら、岡田くんの話が本当って気がしてきた」

そういえば最初に帰れと言われたときって、
会社の話をしたあとだったかも……?
触れられたくない話題になったから、機嫌が悪くなったのかな?
もし、叶絵の言っていることが本当だったら——。
私の中の浩之さんが、音を立てて崩れていく。
楽しかった日々さえも、ニセモノのように色あせて思えてきて、
空しい気持ちで叶絵との電話を終わらせた。

その直後、メールが届いた。陽向くんからだった。
天野詩織(29歳)
繊維メーカーの事務職。恋愛に臆病でなかなか一歩を踏み出せない。
堤 浩之(36歳)
営業職。詩織が社内で見かけ、ひと目惚れした相手。
竹下陽向(27歳)
取引先のアパレルメーカーに勤務している。自然に話せて、安らげる相手。
本田叶絵(29歳)
詩織の同僚。明るく活発なタイプで、詩織の背中を押そうとしてくれる。

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